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[2011/2/2] 将棋ホラ~ 『血溜まり』

今晩は・・・。
パーソナリティーの徳川埋蔵です。SCMと虚実の狭間。身も凍る凶歩の世界へようこそ・・・

今夜の怪談はちょっぴりヘビー。グロテスクな話が苦手な方や、食事中の方はこの先読むのはお控えくださいね。 平気な人は是非ゼヒご観覧下さい・・・。さぁ・・・納涼・真夏の恐怖怪談はじまるよぉ・・・

[R-18] この作品は過激な表現が含まれておりますので、18歳未満の方は絶対に閲覧をご遠慮ください。また心臓の悪い方は、読むのをお控えください…

※この物語はフィクションです。実際の場所・内容・人物・会社などとは無関係です。
 

将棋ホラー
投稿作品#004
投稿者:boomsさん

Title:
『血溜まり』

脚付き将棋盤の裏側の中央部分にはへこみ(四角形のへこみの中に四角錐が埋め込まれた形状)がある。この部分の正式名称は「音受け」であるが、俗に「血溜まり」と呼ばれ、対局中に横から口を挟む人間は首を刎ねられ、このへこみに乗せられる。

質屋で購入した、将棋盤をケースから取り出して、男は店主との会話を思い出す。

『よく聞きなさい…』

柔らかい物言いで、話し始めた店主は、こう言った。

『この盤は、昔とある武家の家で、試合が行われた時に使われた盤で、相手方の武家の勝ちが見えた時…

試合を行った侍が、負けを嫌って、隣に座っていた家臣の刀持ちを、バッサリと首から切り落とし…』

『この無礼者が、脇から口を挟みおった!』

と…

盤をひっくり返して首を置き。

『この無礼者のせいで、試合が台無しだ』

そう怒鳴ると、日を改めて試合う事を相手方に承諾させた。

当然、武家に言い掛かりで斬り殺された、家臣の家族は怒り狂った。

するとその武家は、家族に謝るどころか…

…店主は男に向けて言う。

『お客さんも、上司に言い掛かりを付けられて、クビにされたんですよね?』

『この血溜まりに、

アナタの血で一杯に満たせば、

アナタの代わりに盤に潜む怨霊が、怨みを晴らしてくれますよ…』

そうして男は、家に将棋盤を持ち帰った。

男は盤を畳の上に勢いよく置く。

盤上に目を向けると、そこには盤に張り付いた…

殺された家臣のデスマスクにもにた奇妙な顔が張り付いていた。

男は不気味にそのデスマスクを撫でると、ひっくり返して音受けを睨んだ。

ひとつ大きく呼吸をすると、左腕に店主が深く切った時に、血が止まらなくて困らないようにとタダでくれたワイヤーを腕に巻きつけて、付属の締め付ける機械でキツく縛る。

ボタンを押すと、自動で締め付けるワイヤーを眺めて、少し痛い位で止めた。

腕は見る見る青ざめていき、右手で触って感覚を確かめると男は…

ザクリ…

ポタポタと指先から流れては落ちる血を見ながら、男はブツブツと怨みを発した。

シネシネシネシネシネシネシネシネ…

ポタポタと滴り落ちる血を見る。

しかし、音受けには数ミリも血が溜まって無かった。

木に染み込んでしまうのだ。

男は、苛々すると…

人差し指を…


ザクリ…

今度は、流れるようにドロドロと吹き出る血が、見る見る血溜まりを満たしていく。

男はニンマリと笑う。

しかし、半分も満たした所で血の勢いが弱まり、またしても血が音受けから消えていく。

男は大きく叫ぶと、ふと、腕に巻いている、血を止めているワイヤーを見た。


男は狂気の笑みを浮かべて、


ボタンを…押した…

キリキリキリキリ…

金を締め上げる音とともに、男の肉を引き裂いていく。

バキリと木が折れたような音とともに、男の体から離れた腕が畳に落ちた。

噴水のように吹き出る血を見ながら、男は血溜まりを凝視した。

しかし…

血溜まりは半分しか溜まっておらず、男は半狂乱で暴れた。

すると、あしもとにさきほどのきかいがおちていた。

おとこはなるほどとじぶんじしんでなっとくするとみずからのくびにわいやーをかけて


ボタンをおした…



 
へ・・・ヘヴィーですなぁ・・・ゾゾゾゾ
きゃーあ嗚呼ぁぁ!!
恐ろしいですねぇ・・・・

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