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[2011/2/8] 検討プレーヤ保存版:幻の一手

詰め将棋
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TITLE:幻の一手 USER:酔いどれさん
コメント
00/33 ある棋士の一手を紹介します
01/33 それは順位戦C級2戦での対局
02/33 一人の棋士の人生最後の対局でした
03/33 病に侵されていたその棋士は一局に耐える力すら残っておらず
04/33 この対局もわずか33手で開戦前に投了となりました
05/33 対局後即入院、そのまま帰らぬ人となったのです
06/33 この対局は直後に棋士達に検討され、後手の最後の着手が悪く
07/33 先手優勢で後手投了も仕方なしと言われていました
08/33 しかしただ一人、後手には必勝の一手が見えていました
09/33 それを指せば勝てるはずと。
10/33 また、その手を見た相手が長考に沈むだろうとも。
11/33 そして自分の肉体がそれに耐えられないだろうことも。
12/33 「見えているのに指せない」
13/33 「身体が指すことを許してくれない」
14/33 そのため、その幻の一手を指す形だけ作って投了したのです
15/33 死の床にある棋士が、弟子に遺言のように遺した言葉に
16/33 「あの先を私の一手で指し継いでくれないか」
17/33 「必ず勝てるはずなんだ」
18/33 しかし将棋は相手あってのものです
19/33 弟子もプロ棋士、相手に同じ局面にしてくれとは言えません
20/33 その棋士は続きを見ることなく、この世を去りました
21/33 その棋士の通夜と同じ日。
22/33 将棋会館では順位戦C級2組の対局が行われていました
23/33 失意の弟子も対局があり、通夜とはいえ会館に居ました
24/33 その弟子が対局の合間に他の対局を覗いたときです
25/33 「全く同一で師匠の遺言通りに指している対局がある」
26/33 その弟子は師匠の存在を感じて居住まいを正し、
27/33 今日の対局におかしなことはできないと思ったそうです
28/33 同一の局面を再現した棋士はそれぞれ、
29/33 「全く知らなかった」「知っていたがなぜかこうなっていた」
30/33 と語ったそうです
31/33 そして指されなかった34手目、幻の名手は
32/33 指されなかったにも関わらず升田幸三特別賞を与えられました
33/33 それがこの4二角!!!

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